Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十五)茶碗割り
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十五)茶碗割り (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 109.804 Zeichen · 225 Bildschirme
生前の善根らしきもののお蔭で、助命の歎願などもありましたが、もとよりそんなものは取上げられるはずもなく、一代の巨盗もそれっきり江戸っ子の関心から拭い去られてしまったのです。
「――その成瀬屋総右衛門の家へ、二年前に処刑になった蝙蝠冠兵衛が祟るんだから変じゃありませんか」
「待ってくれ、そいつは捕物じゃなくて怪談だぜ、八」
平次は恐ろしく酸っぱい顔をしました。
「その怪談が大変なんで、一と月も前から成瀬屋の一家を鏖殺しにするという蝙蝠冠兵衛の手紙が三本も来ているじゃありませんか」
「よくある術だ」
「ところが、とうとうやりましたよ、親分」
「…………」
「成瀬屋の用心棒――腕自慢の力自慢で、そのうえ恐ろしく気の強い番頭の伝六が、見事に芋刺しになりましたよ」
「殺されたというのか」
「寝ている心の臓をたった一と突きだ。グウとも言わずにやられたらしいんで」
「お前見て来たのか」
「恐ろしい手際だ。行ってみませんか親分」
八五郎が舌を振るって驚いているのです。
「よし行ってみよう。幽霊を縛るのも洒落ているだろう。案内してくれ」
「ありがたい、親分が動き出しゃ百人力だ。ところでこのままじゃあっしの方が動けませんよ」