Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十五)茶碗割り

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十五)茶碗割り (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 109.804 Zeichen · 225 Bildschirme

Aozora Bunko

あれは見かけより賢くない娘だ」

「…………」

「冠兵衛の倅の幸吉が縛られたと聞いて、お前はそれを助ける気になった。そして、成瀬屋の一家の者に思い知らせて自分も死ぬ気になった。鳥兜の根はかねて庭から掘って用意していたはずだ。下女のお大がお勝手をあけると、お前はそれを鍋に投り込み、自分が一番先に死ぬ気で二杯も重ねた。――お町、まだ訊きたいことがある、あの小僧は誰だ、あの小僧は――」

銭形平次は驚きました。平次の言葉を静かに聴き入っているうちに、お町の眼の色が次第に力が失せて顔には死の色がサッと刷かれているではありませんか。平次の声に驚いて多勢の者が飛込んで来ましたが、死んで行く娘の命をどうする事も出来ません。平次は少し引き下がったまま、両掌を合せて静かに静かに念仏を称えておりました。

窓から射し入る秋の暁の光が、息を引取った娘の顔を、美しく神々しく照らし出します。