Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十五)茶碗割り
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十五)茶碗割り (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 109.804 Zeichen · 225 Bildschirme
「手紙は三本だけか」
「それが不思議なんで、いっこう業をしないくせに、脅かしの手紙だけは、毎日一本ずつ五本まで来ましたよ。――もっとも五本きりで止しましたがね」
「誰が持って来たんだ」
「初めは使い屋で、あとは店へ投げ込んだり、近所の子供が持って来たり」
「その手紙を借りて来たのか」
「これで」
八五郎は懐ろから出した手紙を五本、日付の順に平次の前に列べました。
「男と女と二人で書いてるが、うまい字だな。男のは帳面馴れがしているし、女の方は大師流を習っている。――紙は小菊、筆も墨も悪くない。文句は一本一本次第に激しくなって五本目などは噛みつくようだぜ」
「それが悪戯でしょうか、親分」
「わからないよ。――七日と日を限っていて五日で止したのが一番おかしい。五日目の晩は何か変ったことがなかったのか」
「ありましたよ」
「何があったんだ」
「お嬢さんのお輝さんが夜中に見えなくなって一と騒ぎしましたがね。間もなく寝巻のまま裏の土蔵の前に立っているのを見付けて、安心しましたよ」
「?」
「十六にしては子供子供した可愛らしい娘で、夜遊びに出る柄ではなし、大方夢でも見たんでしょう。当人も夢心地で家を出たが、何にも覚えがないと言うそうで――」