Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十五)茶碗割り
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十五)茶碗割り (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 109.804 Zeichen · 225 Bildschirme
どこから受取ったとか、何にする金だったとか、それだけでも訊きたい――傷に障らなきゃ話してくれまいか」
「大丈夫でございます。お蔭様で傷の方は一日一日快くなるようで、もう少しくらい話しても障るようなことはございません。それに、銭形の親分さんなら、ぜひお耳に入れておきたいこともございます」
お嘉代は熱心に平次を見上げました。
「フーム、俺も訊いておきたいことがある」
「まず、三百両の金を用箪笥へ入れておいたわけでございます。それは、あの翌る日、その金をそっくり人様にお渡しする約束がございました」
お嘉代は少し息が切れる様子でしたが、それでも思いのほか元気につづけます。
「払ってやる先は?」
「今しがた親分さん方は、店先でお武家様にお逢いじゃありませんか――立派なお武家様に」
お嘉代は「立派」という言葉に力を入れました。
「逢った、中坂の藤井なんとかいう――」
「藤井重之進様でございます。三百両の金は、あの翌る日、あの方に差上げるはずでございました。――私の油断から、あの金を盗られてしまっては、配偶が死んでから十五年の間の、骨を削るような苦労も、みんな無駄になってしまいました」