Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十五)茶碗割り

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十五)茶碗割り (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 109.804 Zeichen · 225 Bildschirme

Aozora Bunko

――それから十五年の長いあいだ、私は喰うものも喰わず、年頃の娘に着せるものも着せず、必死となって金を溜めました。荒物を売った儲けでは、纏まった大金を手に入れることなど思いも寄りません。恥かしいことですが、高い利息の金まで廻して、必死と溜めた金が二百九十二両、それに明日になったら、私の母から譲られた形見の櫛笄、亡夫の腰の物のうち、不用の品を売払って八両の金を纏め、かねて約束の中坂の藤井様にお届けするはずで、黄八丈の財布に入れたまま、この部屋の用箪笥にしまったところを盗られたのでございます」

「…………」

「藤井重之進様は、身にも命にも代えられない大事で、三百両の金が入用だと申します。あの翌る日は、――今日から二日前に、あの三百両をお届けして、倅の文次郎を名義だけの養子に届出、藤井家の御家人の株を私が譲り受ける約束でございました。――三百両の金がなくなっては、それも果敢ない望みでございます。先刻藤井様が直々御見えになって、金は二日前に入用であった、さんざん待ったが届けてくれなかったので、他から融通して用事は済んだ。株売買のことはこれで打切るようにとのお言葉でございました」