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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十五)茶碗割り

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十五)茶碗割り (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 109.804 Zeichen · 225 Bildschirme

Aozora Bunko

多分お嘉代を刺した曲者が、盗んだ財布の中身を抜いて、生垣の中に空財布だけを突っ込んで行ったのを、犬でも銜えて来たのでしょう。

無くなった金は大掴みに三百両と聴いた七助は、その金が御家人の株を買う金であったとも知らず、かつて自分のぎ溜めた銭で、今はわずかに残る貯えの中から、ちょうど三百両を取出して財布に入れ平次が推察した通り竹桿の先に引っ掛けて隣の庭に入れたのです。

「恐れ入りました親分、人のため悪かれと思ってやった事ではございません。娘可愛さにとんだことをしてしまいましたが、どうかお許しを願います」

かつての悪者、鼬の七助の哀れ深い姿を見て、平次は苦笑するばかりです。

「人の物を取るのも悪いが、無分別に人へ金をやるのも良い事ではないよ」

「ヘエ――」

「ところで、あの晩、隣の荒物屋に入った曲者を、お前は見ているはずだと思うが」

七助の口吻から、平次は早くもこの機微を掴んだのです。

「ヘエ――」

「文次郎は風呂に居なかったそうだが、文次郎なら自分の家に忍び込むのに、生垣を飛び越して入ったり、空財布を庭へ捨てるようなことはあるまいと思うが」

「それでございます親分さん、私もどうしても文次郎さんを疑う心になれませんでしたが――」