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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十五)茶碗割り

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十五)茶碗割り (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 109.804 Zeichen · 225 Bildschirme

Aozora Bunko

その刻限まで、寝もやらずに待っていた平次はこの時ばかりは冗談を言う余裕もなく飛出しざま、

「八、帰って来たか」

手を取って引上げぬばかり、後ではさすがにはしたないと気が付いたか、女房のお静が持って来た手燭の灯の中に苦笑しております。

「驚いたの、驚かねえの――」

「どうした、八。無事だったのか」

「無事は無事だが、驚きましたよ、親分」

「関口の太助を殺した相手だ。油断をするととんだことになる。出かける前に、お前によく言い含めておくんだったよ。でも間違いがなくて何よりだ。どんな事があったんだ。事詳しく話してみろ」

「あの手紙の通り、正亥刻(十時)竜興寺の裏門に立っていると、――来ましたよ」

「何が?」

「大きな男、黒い単衣を着て、顔は隠している。風呂敷でも冠っていたんでしょう。――なんにも言わずに小手招ぎをするから、しばらく神妙に跟いて行ったが、どうも気になってならねえ。どう考えてもこの野郎は知ってる人間だ」

「…………」

「相手は人をなめた野郎で、先に立って気取った恰好で歩いてやがる。畜生奴ッと思うと、俺はもう飛付いていましたよ」

「馬鹿だなア」

「覆面を引っ剥ぐと、その下から現れた顔は、――親分の前だが、驚いたの驚かないの――」