Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十五)茶碗割り

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十五)茶碗割り (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 109.804 Zeichen · 225 Bildschirme

Aozora Bunko

「まア、八五郎さんそこに居なすったの。あんまり静かにしているから、気が付かないじゃありませんか」

お品は面白そうに笑うのでした。

「あっしでも間に合いますかえ」

「まあ、悪かったわねエ。――八五郎さんが来て下さると本当にありがたい仕合せで――」

ガラッ八は擽ったく、首筋を掻くのです。でも、そんな事に長くこだわっている八五郎ではありませんでした。お品が事件の説明を始めるともう夢中になって、いっぱし御用聞の出店くらいは引受ける気だったのです。

お品が持込んで来た事件というのは、お品の家とは背中合せの、同じ本所石原町に長く質屋渡世をし、本所分限者の一人に数えられている吾妻屋金右衛門が、昨夜誰かに殺されていることを、今朝になって発見した騒ぎでした。

「家の新吉が下っ引を二三人連れて行ったけれど、こね廻すだけで判りゃしません。そのうちに三輪の親分の耳にでも入ったら、どうせ黙って見ちゃいないだろうし、――本当に八五郎さんが行って下さると助かりますよ」

お品の調子はしんみりしました。

「うまく言うぜ、お品さん」

そんな事を言いながらも、八五郎はお品と一緒に石原町まで駆け付けていたのです。