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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十五)茶碗割り

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十五)茶碗割り (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 109.804 Zeichen · 225 Bildschirme

Aozora Bunko

「縄も紐もなかったよ。――自分でやったのじゃない」

新吉は注を入れました。

「一番先に見付けたのは?」

「私でございます」

お茶道具を片付けていた下女のお石は、少し事務的にハキハキと答えました。

「どんな様子だった」

とガラッ八。

「いつものように、南側の雨戸を開けて声を掛けましたが、お返事がありません。障子を開けて見ると――」

お石はさすがに息を呑みます。

「床の上にいたのか、それとも――」

「床から脱け出して、その辺に」

長押の下のあたりを指した手を、お石はあわてて引込めました。そこには娘のお喜多がしょんぼり坐っていたのです。

「どんな恰好で」

「お寝巻のまま、俯向きになっていました」

「確かに俯向きだろうな」

「え、さいしょは居眠りしていらっしゃるのかと思ったくらいです」

「縄も紐もなかったのだな」

「え」

「東側の窓は?」

「半分開いたままで、朝陽が一パイに射していました」

お石の知っているのは、それだけのことです。

いちおう間取りの具合を見ましたが、二階は八畳一間だけ。階下は母屋と廊下で繋がって、六畳と四畳半の二た間。四畳半は物置同様で、六畳には用心棒の力松が夜昼の別なく頑張っているのです。