Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十五)茶碗割り
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十五)茶碗割り (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 109.804 Zeichen · 225 Bildschirme
安藤対馬守はここで斬られ、井伊直弼は桜田門を入るとき駕籠の中で斬られた。その首を持った有村某は、帝劇のほうへ逃げ出したという笑われない話もある。ある町人の小僧は、お使いに来てこの事件に出っくわし、土手下に隠れてふるえながら見ていたというのは、桜田門の外であろう。明治年間このへんへ遠くなく甘酒屋まで出ていたのを私が記憶しているくらいだから、万延元年の変では、そのような事があったかも知れない。
有楽町は織田有楽斎の屋敷跡、いまの有楽町駅あたりに、南町奉行所があったことだろう。このへんに、遠山の金さんもおり、大岡越前守も姿を見せたにちがいない。昔の奉行は、いまの警視総監よりもさらに権力が強く、法三章な概念で裁判を片付けていったものらしい、大岡さばきにはソロモンの伝説まで織り込まれており、十中八九は信ずるに足りないが、死んだと思ったたばこ屋喜八が生きていたり、地蔵様に縄を打って引立てたり、大岡様も伝説稗史に従えばなかなかにやったものらしい。
この思想――すなわち罪を憎んで人を憎まざる底の大岡さばきが、後世捕物小説の基本概念になったかも知れない。もっとも家事不取締で罰せられたり、御諚百箇条的思想で人を律されては、少しぐらい手加減をして頂かなければ、人民どものほうがかなわないわけである。