Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十五)茶碗割り
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十五)茶碗割り (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 109.804 Zeichen · 225 Bildschirme
お杉はゴクリと固唾を呑んで、三白眼を大きく見開きます。肩に肉の付いた、手は凍傷の痕のある、なりふり構わぬ姿です。
平次は総兵衛の死骸を一応見せて貰い、わけても、傷口をよく調べた上、雨戸の開けてあったという辺の敷居を念入りに見たり、戸締りの工合を見たり。
「戸締りは誰がするんだ」
「私がしますよ。昨夜も酉刻半(七時)前によく締めたはずです――え、上下の桟と心張りで」
「その心張りはどうなっていた」
「縁側に落ちていましたよ。戸は一枚開けっ放したままで」
「主人は眼ざとい方か」
「それはもう、お年ですから、少しの音でも眼を覚しました」
「もっとも、ここで少しくらい音を立てても、皆んなの休む方へは聴えないな」
「ずいぶん離れていますから」
お杉は顔にも、様子にも似ず、よく気の廻る女でした。こう話していると、次第にこの女のよさや賢さが解ってくるような気がします。
平次は狭い庭へ降りてみました。そこから裏口まではほんの二間ばかり、滅多に陽の当らない土の上には、少しばかり庭下駄の跡が印されてありますが、それが何の意味があるのか、ガラッ八には解りません。
もう一人の姪のお道というのは、総兵衛の弟の娘で十九、これは美しくもあり、若くもあり、その上身装なども、相模屋のお嬢さんらしい贅沢なものでした。