Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十五)茶碗割り
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十五)茶碗割り (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 109.804 Zeichen · 225 Bildschirme
「二階は?」
「富士山の見えるのが自慢でございますが、あの通り孟宗竹が伸びて、せっかくの眺めを台なしにしてしまいました。いずれ竹を切ってしまうつもりですが――」
指差すと、小石川一帯の町を眼下に眺めて、その上に富士も見える景色ですが、崖の竹林がひどく繁って、すっかりその眺望を隠しております。
そこを出た平次とガラッ八は、前の長屋で一と通り直助兄妹のことを訊いて、それから湯島を廻って、殺された染吉の家へ立寄り、線香を上げて様子を見ました。集まったのは近所の衆と、昔染吉の先代が使った縫箔の職人だけ。耳の遠い婆さんと染吉とたった二人の世帯は、主人が死ぬと火の消えた淋しさです。
近所でいろいろ噂を集めましたが、贅沢で人を人臭いとも思わない染吉には、相当に反感があり、突っ込んだことは誰も知りません。
「親分、下手人は誰でしょう」
ガラッ八はとうとう考え草臥れました。
「まだ解らないよ」
「勇太郎じゃなしお芳でないとすると、やはり直助じゃありませんか」
「どうして、そんな見当をつけたんだ。――直助は昨夜外へ出なかったんだせ」
「でも、あの男は油断がなりませんよ」
「前の長屋で、直助兄妹は昨日の昼過ぎから外へ出ないと言ってるじゃないか。