Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十四)雛の別れ
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十四)雛の別れ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.139 Zeichen · 233 Bildschirme
引潮になると見えるくらいで、――もっとも傷口に比べると少し細刃でしたが」
「お絹は渡し舟で来たのか」
「いえ、人に顔を見られるのが嫌だから、江戸橋を廻って来たんだそうで、これは本人が言うんだから間違いはありません。鎧の渡し守は、仕舞い舟を出そうとして、客をあさるともなく眺めていると、丸屋の木戸へ若い女が入るのを見たそうで」
「なるほど、証拠はそろっているな」
平次は何か腑に落ちないものがある様子です。
「でしょう、親分」
「少し揃いすぎているよ」」
「?」
「木戸の中の足跡は小刻みに付いていたと言ったな」
「ヘエ――」
「乱れてはいなかったのか」
「ヘエ」
「人を殺した若い女が、お能の橋がかりを引込むように逃げられるものかな」
「?」
「親爺橋、江戸橋、海賊橋と廻って帰るなら、血の付いた短刀だってわざわざ木戸の外へ捨てるに及ぶまいよ。傷口と短刀の合わないのも変だ」
「…………」
「嫁の道具はまだ返していないはずだ。その荷物の中から、わざわざ自分の短刀を持出して、舅を殺すのはどういう料簡だい」
「?」
こう平次に畳み込んで来られると、せっかくガラッ八の築き上げた疑いが、はなはだ怪しいものになります。