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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十四)雛の別れ

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十四)雛の別れ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.139 Zeichen · 233 Bildschirme

Aozora Bunko

これを金に飽かして集めた京屋善八の気持は、平次にもガラッ八にも分りません。

「親分、変な心持になりゃしませんか。寺方の土用干しみたいで――」

「シッ」

「こいつを眺めていると、よっぽど罪の深い野郎でも成仏したくなりますよ」

「馬鹿野郎、黙って来い」

「ヘエ」

番頭の久助はそんなやり取りを聴えない振りをして、主人の寝間の敷居際に立ちました。

「こちらでございます」

平次と八五郎は一と足踏み込んでさすがに顔を見合せます。主人善八は床の中から抜け出したまま、脇差で喉を突かれて死んでいたのです。その思いの外なる悪相や、凄まじい血潮の氾濫はともかく、夜の物の贅沢さと、部屋の調度の見事さに平次とガラッ八は驚いたのでした。

「見つけたのは誰だえ」

平次は手順を追うように訊きました。

「下女のお吉でございます」

「長くいる婢か」

「いえ、お鈴が死んだ後で、房州から呼びました。出戻りの、四十を越した女で――」

お鈴で懲りて、醜い中年女を雇ったという心持が、久助の言外に溢れます。

「雨戸は?」

「一枚こじ開けてあったのは、そのままにしておきました。あとは戸袋へ入れてしまいましたが――」

縁側の外へ横にしてあるのはその雨戸でしょう。