Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十四)雛の別れ
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十四)雛の別れ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.139 Zeichen · 233 Bildschirme
ガラッ八の言うのは尤もでした。明暦三年から万治三年へかけて、江戸の火事騒ぎは、年代記にも明らかで、大は八百余町を一と舐めにした振袖火事から、小は夜ごとのボヤまで、それは全く恐るべき「火の呪い」だったのです。
幕府は新たに火消役人を置いて、火消機関の大編制をし、火の扱い方にまで厳重に干渉して、薪や材木を積むこと、川岸に小屋や雪隠を建てること、二階に灯を点けることまで禁じましたが、夜ごとの火事騒ぎは少しも減らず、とうとう四代将軍家綱が予定された日光参詣の日取りまで延引して、ひたすら心の安定を計る外なかったのです。
「こいつは干支や年廻りのせいでしょうか、親分」
「お前は何のせいだと思う」
「人間の仕業ですよ、親分」
「何だと」
ガラッ八は大変なことを持って来たのです。四年この方、江戸中を騒がせた「火の呪い」を、人間のせいと見破ったガラッ八の慧眼は、この男にしては近頃の大手柄だったのでしょう。
「干支や年廻りなら、酉とか申とか、たった一年で済むことじゃありませんか。火早いのが四年続いて、毎晩三ヶ所五ヶ所から、素性の知れない火をふくのは、人間の悪戯でなくて何でしょう」