Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十四)雛の別れ

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十四)雛の別れ (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.139 Zeichen · 233 Bildschirme

Aozora Bunko

「えらいッ、八。そこまで気が付いたのはさすがだ」

「――でしょう、親分」

八五郎は急に衣紋を正したりするのでした。親分にこう褒められたのは、三年前御府内荒らしの三人組を手捕りにした以来のことです。

「俺もそこに気が付いて、この間から笹野の旦那と相談しているんだが、――この四年越しの火事騒ぎに、火付けの姿を見た者もないんだから、手の付けようがない」

「何だ。親分は気が付いていたんですか」

八五郎はせっかくの大発見が大した手柄になりそうもないのでがっかりしました。

「いや、気が付いただけじゃ何にもならない。――本妙寺の振袖火事は別だが、あとはみんな夜中から暁方へかけての火事で、不思議なことに雨の降る日は一つもない。火元をいろいろ調べてみたが、どうも過失らしいものは一つもない――」

平次は暗い顔をするのです。四年越しの謎を解き兼ねる様子です。

「あっしも一つ気が付いたことがあるんだが――」

「言ってみるがいい」

「笑いやしませんか」

「笑っちゃすまないよ。天下の大事という触れ込みで持ち込んだ話だもの」

「へッ、それほどでもねエが、――こんなのはどうでしょう。四年越しの火事が、大きいのも小さいのもあるが、火元はお寺でなきゃ墓場の近所で、町の真ん中のは仏事法要のある家ばかりだ」