Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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せいしゅんのぎゃくせつ

青春の逆説

織田 作之助

Lesen Sie 青春の逆説 (せいしゅんのぎゃくせつ) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.593 Zeichen · 325 Bildschirme

Aozora Bunko

ざまあ見ろと思った。

校長の閉会の挨拶がはじまった時は、校庭はもはや黄昏れていた。「紅燃ゆる」を歌って散会したあと、応援団長の推戴式があった。校庭に篝火をたき、夕闇の中で酒樽を抜いて、応援歌を呶鳴り、新しい応援団長は壇上に立つと、一高に負けるなと悲痛な演説をやって、心あるものは泣くのである。応援団委員は参加人数のかり集めに躍起となった。記念祭がすむと、生徒たちは興奮しながら町へあこがれ出て行く、その足を推戴式のため食い止めなければならない。近頃応援団というものに冷淡になった功利主義者や、事なかれ主義者が多くて困るのである。応援団委員の希望、そして足を食止め易いのは新入生たちであった。豹一、赤井、野崎の三人はまごまごしていたので、寄宿舎の横の小門で掴った。豹一の子供じみた頭や、むやみに上着の袖の長い如何にも新入生らしい服装をなめて掛かったのか、委員は、

「推戴式に出ないと、承知せんぞ!」と威喝した。豹一の自尊心にその命令的な態度が突き刺った。

「いやだ! 三高の伝統は自由だとあんた達が日頃言うじゃないか。出たくないものを無理に止める法はないだろう?」

実は最近豹一もかり出されて、野球の練習時間中、意味なく太鼓を敲かされたことがあって、応援団には愛想を尽かしていたのである。