Japanische Klassiker mit Furigana
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くいどうらく
食道楽
村井 弦斎
Lesen Sie 食道楽 (くいどうらく) von 村井 弦斎 (むらいげんさい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.757 Zeichen · 321 Bildschirme
湯煮てありますからザット揚げれば直ぐ出来て赤くも黒くもなりません」妻君「オヤそうでございますか、良人は鶏の肉が好きで毎度拵えますがいつでも小言を言われます」中川「小山君は鶏の肉が好きかね、それならば僕が今度君に無類飛切という鶏の肉を御馳走しよう、如何なる金満家も贅沢家もまだ滅多には試みない鶏料理を差し上げよう」主人「是非願いたい、何という鳥だね」中川「それはその時に説明しよう。奥さん、色々どうも御馳走でした。オヤまだ何か出ますか、ナニ蜜柑の葛掛、これは妙ですな。山葵の匂いと辛味があっていわゆる五味の調和ですか」妻君「五味だか何だか分りませんが、それは先ず塩とお砂糖で濃い葛湯を拵らえてそれへ摺った山葵と蜜柑の実ばかりとを入れて掻き交ぜたのです。上等にしますと三寸位の山葵なら一合の沸湯を注いで、固く蓋をしておく事が一時間、そうすると山葵の辛味がすっかりお湯へ出ます。その湯を沸かして葛湯を拵らえて蜜柑の外に林檎を小さく切って加えるとようございますけれども急ぎましたから略式に致しました」と当座の御馳走ながら妻君がお登和嬢に笑われまじとて心を籠めたる苦心の料理。