Japanische Klassiker mit Furigana
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くいどうらく
食道楽
村井 弦斎
Lesen Sie 食道楽 (くいどうらく) von 村井 弦斎 (むらいげんさい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.757 Zeichen · 321 Bildschirme
妻君「擂鉢でよく摺れたらお湯を適宜に加えて塩と砂糖で味を付けますがモー一層美味しくするのは牛乳を半分ほど加えます。あるいはコンデンスミルクやクリームをお湯で溶いて加えてもようございます。見ていらっしゃい、下女が今上手に拵らえますから」と一々その順序を示し、再び客を以前の客間に誘て「サア大原さん、漸く出来ました。貴君はきっと沢山召上るだろうと思って大きな丼鉢へ入れて来ましたから御遠慮なく何杯でもお更りして下さい」と下女に命じて南京豆の汁粉を前に呈せしむ。客はいまだ胃吉と腸蔵に対して憚る所あり「それでは少々戴きましょう、餅は沢山ですから汁だけでも」と一口二口試みけるが舌打鳴らし「これは美味い、実に美味い、炒ってある故か割合に淡泊ですな」妻君「さようです、何の料理にしてもひつっこくありません。中の餅も一つ召上って御覧なさい、別製ですよ」客「なるほど、この餅も非常に軽くって何とも言われん味だ、これは何という餅です」妻君「それは葛入餅と申して葛の粉少々と糯米と一所に蒸して充分に搗き抜たのです」客「道理で絹漉餅ともいうべき位です。あんまり美味しいので残らず平らげました」