Classiques japonais avec furigana
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しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Lisez 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 511 765 caractères · 1011 écrans
すこしもはやく安土城へ帰って、この由を復命するのがじぶんの役目、もとより秀吉公は、呂宋兵衛には、あまり重きをおいていられないのだ、そうだ、その勝敗を見とどけたら、すぐにも安土へ立ちかえろう」
臍をきめたが、色にはかくして、大手の形勢を観望している。
そこには、たちまち矢叫び、吶喊の声、大木大石を投げおとす音などが、ものすさまじく震撼しだした。濛――と、煙硝くさい弾けむりが、釣瓶うちにはなす鉄砲の音ごとに、櫓の上までまきあがってくる。
おりから、望楼の上へ、かけあがってきたのは、轟又八であった。黒皮胴の具足に大太刀を横たえ、いかにも、ものものしいいでたちだ。
「お頭領に申しあげます」
「どうした、戦いのもようは?」
「城兵は、一の門二の門とも、かたく守って、破れる気づかいはありませぬ。だがかれもまた、伊那丸をせんとうに、一歩もひかず、小幡民部のかけ引き自在に、勝負ははてしないところです。これは、丹羽昌仙のれいの蓑虫根性から起ること、なにとぞ、とくにお頭領よりこの又八に、城外へ打ってでることを、お許し願わしゅうぞんじます」
「む、では汝は城門をおっ開いて、いっきに、寄手を蹴ちらそうというのか」