Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんきだんクラブ

奇談クラブ(全)

野村 胡堂

Lisez 奇談クラブ(全) (しんきだんクラブ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 104 139 caractères · 208 écrans

Aozora Bunko

れたのは、飛んだ失策、その上目明しの三吉までがヘマをしては、世間に合せる顔もありません。

「それッ、逃がすなッ」

と、一体の人数、往来の人に足取りを訊し乍ら、目黒の方へ揉みに揉んで馳け付けました。

不動様の境内へ追い込んで、三方から取り詰めたのは、其の日の辰刻頃、人目の多い場所ではあり、それに白昼の捕物ですから、今度は万に一つも失策は無い積り、相沢半助は確かに此処で「寺荒し」の姿を見たという権次と、先刻正護院で、「寺荒し」を取り逃した三吉とを召し連れて、不動様の正門から堂々と入り込んで行きました。

その頃はことの外繁昌した目黒の不動ですが、朝の事で境内には女乗物がたった一つ、深々と扉を引いて、陸尺が二人、石畳の上に踞んで煙草を吸んで居ります。

「ちょいと物を訊ねるが、此処へ子供をおんぶして頬冠りをした若い男が入ったろうな」

と相沢半助、

「入るには入ったが、直ぐ裏へ抜け出したよ。何んですかえ、あれは?」

太鼓張の煙管で堂の裏手の方を指します。

「大事な捕物だ」

此処へ来ては相沢半助も最早隠そうとはしません。

「それッ」

と境内を探しましたが、隠れる場所があろうとも思われないのに、「寺荒し」