Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

むすめえんじゅつし

娘煙術師

国枝 史郎

Lisez 娘煙術師 (むすめえんじゅつし) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 267 766 caractères · 530 écrans

Aozora Bunko

見ていけないものを

※(歌記号、1-3-28)うらに来いとの笛の音、裏道来いとの笛の音……

元気よく嘉門は彷徨って行く。

見ていけないものを

※(歌記号、1-3-28)裏道来いとの笛の音……

嘉門は手拍子を打ちながら、元気よく庭を彷徨って行く。

※(歌記号、1-3-28)じょに吹く笛が麓にきこゆるおおさては推した、うらに来いとの笛の音……

元気よく蹣跚として彷徨って行く。手拍子を打つ手がヒラヒラと動いて、明るい初夏の日をはね返して、手首が肩の上へ上がるごとに、手の甲のほうが日蔭となって、掌のほうが明るんで見える。裾を乱して脛を出して、腰から下のほうを少しく沈めて、及び腰をして歩いて行く。顔に真っ向に日がさしていて、面のように調った顔の、眼や鼻に陰影がついている。

そういう嘉門を送り迎えるのは、手広い荒れ庭の草や木であった。

一所に花柘榴の木があって、赤い蕾が珠のように、枝に点々とつづられていたが、その中の二、三顆が襪のような花弁を、恥ずかしそうにはみ出させていた。その根もとにゆらゆらとなびいているのは、これも蕾の百合の花であったが、十日ほどたったら蕾を破ろう。

※(歌記号、1-3-28)うらに来いとの笛の音、うら道来いとの笛の音……