Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

みっつのあざ

怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集

小酒井 不木

Lisez 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) de 小酒井 不木 (こざかいふぼく) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 196 140 caractères · 396 écrans

Aozora Bunko

「どこまでも知らぬ存ぜぬを言い通すつもりか?」

「証拠が上ったらそれでよいではないですか?」

「そうすると君たち二人のうち誰かが加害者と認められる」

「その証拠はありますか?」

「証拠は平岡君の袖の血だ」

「それだけでは平岡君が殺したとはいえますまい」

「けれどもみだりに人間の血は袖につかぬよ」

「すると殺された女の身許はわかりましたか」

「身許は君たちがよく知って居る筈だ」

「身許がわからなくちゃ、加害者と認められますまい」

「ふむ。君はこういう所に馴れて居るだけ、中々理窟をよく知って居るね?」

「…………」

「すると君は女も知らず、殺した覚えは尚お更ないというのだね?」

「そうです」

「どこまでもそれで通すのか」

「知らないものは知らぬのです。あなた方は勝手に証拠をお上げになったらよいでしょう」

「もうよろしい」

それから警部は鬼頭を隣室に退かせ、扉のすぐ向う側に腰かけしめて警官に番をさせ、次いで別の入口から平岡をよび入れた。こうして平岡の訊問が、鬼頭によく聞えるように仕掛けたのである。

「平岡君、袖の血はどうしてついたか、君はいわぬつもりだね?」

「どうしてついたか少しも存じません」