Classiques japonais avec furigana
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みっつのあざ
怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集
小酒井 不木
Lisez 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) de 小酒井 不木 (こざかいふぼく) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 196 140 caractères · 396 écrans
前述の人工アメーバに就て言うならば、重クロム酸加里と水銀とが、硝酸の溶液中で触れ合うと、その部分にクロム酸水銀と称する物質が出来て、水銀の表面張力が弱められます。従って水銀の形が変るのですが、クロム酸水銀は硝酸に溶け易い物質ですから、水銀の表面張力は元に返ります。すると当然水銀の形も、元に戻り、外部から見て居ると、水銀が一運動したことを認めます。そうして次の瞬間更に重クローム酸加里と水銀とが接触し、同じことを繰返しますから、水銀は休むことなくアメーバ様の運動を行うのであります。
次に人工心臓の現象はどうして起きるかと言いますと、硫酸液中の水銀に鉄の針を触れますと酸性の液の存在のために、接触電気が起って、その電気は金属と液体とを伝わって流れます。するとその際液体の電気分解が起り分解産物たる、陽電気を帯びた水素イオンは、陰電気を帯びた水銀の表面に着きます。すると水銀の表面張力が高まって水銀が収縮します。収縮すれば鉄の針との接触がはなれて、もとの大きさに膨らみ、膨らめば針に触れて再び電気が起って縮み、かくて同じ運動を律動的に繰返し、外部から見て居ると、心臓の運動の如くに見えるのであります。