Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しん・すいこでん

新・水滸伝

吉川 英治

Lisez 新・水滸伝 (しん・すいこでん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 684 899 caractères · 1374 écrans

Aozora Bunko

牢城の管営父子、武松を獄の賓客としてあがめる事

「都頭さん。孟州までは二十日もかかる。途中、人里離れたら、なんでも気ままを言いなせえよ」

護送役の二人の小吏も、途々、武松を宥わって、苛烈な風は少しもない。武松もまた、餞別物から持ち金まで、悉く頒けてやって、あくまで淡々たるものだった。

ただ、宿籠宿籠やまた山中でも、酒屋の旗を見るともう目がない。――そしてすでに、あすあさってには、孟州に入ろうかという十字坡の嶺道で、ついその酒の誘惑から、危ない罠にかかッてしまった。

ここに一軒家の居酒屋がある。

もちろん峠を通る旅人だけが目あてのもの。

「ま。一杯やろう」

と、はや孟州もまぢかと見て、護送役の二人までが、気をゆるして、したたか飲ったのが過ちの因だった。

酒には、麻睡薬が混ぜてあったらしい。三名とも、蒟蒻のように正体なく、よだれを垂らして伸びてしまった。

不覚だった。

この辺では、山猿のような童までが唄に謡って、

十字坡の毒苺は、蛇も食わないよ

苺酒は人間の血

肉饅頭を割ると、亡霊の声がするよ

と、いっているほど、その峠酒屋とは、じつは隠れない追剥ぎ渡世の夫婦者が、旅人をおびき込む悪の巣だったのである。

しかも、その兇行がまた残虐だった。