Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Lisez 新・水滸伝 (しん・すいこでん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 684 899 caractères · 1374 écrans
こんどこそは、彼もその身構えをかたくせざるをえなかったらしい。一陣の風に、牙を剥いて、新たに出て来たのは、額の白い巨大な雄の虎であった。李逵がじぶんの老母を啖い殺された怒りをそのままこの雄虎も、人間の残虐を怒ッていた。一吼一震、うらむが如く、かッと赤い口を裂いて、その復讐に挑んでくる。
「くそっ」
一刀、虎のどこかを搏ったが、その虎尾は、李逵の体を、はるかへ叩き飛ばしていた。虎は彼の上へ、腹を見せて、すぐ躍ッてくる。山が鳴り谷が吼え、黒風、飛葉、つむじとなって、一瞬は何もかも目になど全くとまらない。
しばらくして、李逵はわれに返った。雄虎は朱になってすぐそばに仆れている。自分も五体のどこかを咬み破られたかと思ったが、どうやら立てる。いや歩いてみると歩けもした。……とはいえ、節々の痛さ、綿のような疲れ、野太刀を杖に、それからの彼は、まるで亡霊が歩いている姿に異ならない。そしてどこをどう歩いたやらの覚えもなかったが、夜の白々明け頃、
「ひゃっ? 旅の者、どうしたぞい、その姿は。そしてどこから来なすった?」
と、四、五人連れの猟師に驚かれて、彼自身もはっと自分に返った心地であった。