Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Lisez 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 511 765 caractères · 1011 écrans
二
小太郎山からずるずるべったりに、鼻かけ卜斎はそのお長屋の一軒をちょうだいして、いまでは、大久保石見守の身内ともつかず、躑躅ヶ崎の客分ともつかない格で、のんきに暮らしているのである。
「もう寝たじぶんだろう」
とは、その卜斎をおそれる蛾次郎が、ビッコをひきながら道々考えもし、神に念じるほどそうあれかしと願ってきたところで、お長屋の灯を見るとともに、また、
「起きていた日には大へんだぞ」
と、意気地なく足がすくんでしまう。
で、いきなり門へははいらないで、そッと裏へまわってみたり、羽目板に耳をつけてみたり、窓の節穴からのぞいたりしてみると、天なるかな命なるかな、寝ているどころか、ふだんより大きな声をだして、あのガンガンした声が家の内にひびいている。
「こいつはたまらないぞ」
蛾次郎はどうしようかと思った。
奥には客がきているのだ。昼間、飯屋でぶつかった地蔵行者の菊村宮内を引っぱってきて、久しぶりに夜の更けるのを忘れて話しているあんばい。
とすると、宮内の口から、おれがあそこでお酒というものを飲んでみたこともしゃべったにちがいない。親方が、やってきた時、台の下にもぐりこんでいたことも、おもしろそうに話したろうな。