Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 156 866 caractères · 318 écrans
「恐れ入った。親分、もう一度引返して様子を見ましょうか」
「馬鹿、この上相手に要心させてたまるものか。そうでなくてさえ、俺を平次と見破ったんじゃあるまいかと、大ビクビクものだったぜ」
それにしても、『さざなみ』の謎は解けそうもありません。
「なんだってそんな事をしたんでしょうね、親分」
「それが解らねえ」
平次は往来の真ん中で腕組をしてしまいました。
「輪飾りを引っくり返したり、障子を裏返しにすると、何かの禁呪になるでしょうか。今年は流行病がありそうだからとか何とか」
「そんな馬鹿なことがあるものか。その上、あんなに立て混んでいる客が、元日だというのに、少しおとなし過ぎたよ」
「…………」
「場所は海賊橋だ。――街を通る人から、たった一と目で見える輪飾りと障子に細工があったんだぜ――」
二人の足は、いつの間にやら、平次の家へ――路地を入っておりました。
「親分、その手拭に何かありゃしませんか」
「それだよ、――ともかく、お屋敷へ帰ってからとしようぜ」
「へッ、北の方お待兼ねと来やがる」
「殴るよ、この野郎」
噂をされる女房のお静は、この時まだ若くも美しくもあったのです。