Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 156 866 caractères · 318 écrans
「下手人は新吉と決ったのか」
平次は静かに問いかけました。
「最初は知らぬ存ぜぬで頑張ったそうですよ。昨夜は宵の口から亥刻(十時)前まで、本所の友達のところで、花合せをやって遊んでいたと言うんで、真砂町の喜三郎兄哥も持て余していました」
「フーム」
「その本所の友達のところを当ってみると、なるほどそれに違いない。証人が七人、少し多過ぎるくらいだ。その上、新吉は日頃にない大はしゃぎで、自腹を切って一升買って、みんなに振舞って大騒ぎをやったんですぜ」
「…………」
「帰ったのは亥刻少し前、――どんな手品を使ったって、お駒を殺せるわけはねえ。継母のお仙は、戌刻(午後八時)に出かけて、亥刻に帰った時は、お駒は間違いもなく死んでいたんだ」
「俺が叱られているようだぜ、八」
ガラッ八の気組の面白さに、平次もツイ笑いました。
「それでも新吉が下手人だと言うなら、憚りながら真砂町の兄哥もヤキが廻ったネ」
「つまらねえ事を言うな」
「今売出しの真砂町が聞いて呆れらア、暮の商売じゃあるめえし」
八五郎が好い心持に啖呵を切っている時でした。
「今日は、――銭形の兄哥は居なさるかい、あっしは」