Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 156 866 caractères · 318 écrans
――万兵衛は他に女が出来て、それを家に入れようとしているんだ」
「なるほど」
「倅の万次郎は恐ろしい道楽者で、昨夜も帰らなかったと言うが、今朝の騒ぎの後で気が付くと、二階の自分の部屋へ入って、グウグウ寝ていた」
「それから」
「番頭の文次は血の付いた着物をそっと洗っているところを、下女のおさめに見付けられ――」
「…………」
「主人の弟の伝之助は、店を支配しているから、万兵衛が死ねば何万両の身代が自由になる、それに、内々の借金もかなり持っているそうだ、――第一、動きの取れない証拠は、万兵衛を殺した剃刀はこの伝之助の品で、家中の剃刀では一番よく切れる。伝之助は、逢って見れば解るが、――恐ろしい毛深い男で、三日も髯をあたらないと山賊みたいになるから、自分の剃刀だけは人に使わせないように、町内の髪結床の親方に磨がせて、大切にしまい込んであるのさ」
「フーム」
「その外、一番先に死骸を見付けたのは下女のおさめで、その時はまだ万兵衛に息はあったと言うから、これとても下手人でないという証拠は一つもない」
「…………」
「もう一人、万兵衛の幼友達で、今は蒔絵師の名人と言われる、尾張町の藤吉の娘、お藤がいる。