Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 156 866 caractères · 318 écrans
まもなく石原の利助がやって来て、人数を四組に分けました。
「八兄哥には泉屋の店口を頼むぜ。筋向うの辻番から、伊三松と交り番こに睨んでおりゃいい」
「ヘエ、承知しました」
八五郎は早速辻番の波障子の中にもぐり込みました。中には顔見知りの伊三松、三十前後で、ガラッ八とは馬の合いそうな男が居ります。
「八兄哥、頼むぜ、――今まで泥棒は、札旦那(客)や御用聞や医者に化けて、見張の中を大手を振って押込んだんだぜ。亥刻(午後十時)過ぎに泉屋へ入ろうとする者があったら、出前持でも、飛脚でも構わねえ、縛り上げて泥を吐かせることだ」
伊三松は説明してくれました。なるほどこれほど研究が積めば、悪者も羽を伸してはいられないわけです。
「泉屋から出るのは構わないのかえ、兄哥」
「出るの?」
「迎いが来て、番頭は今しがた出て行ったぜ。通いらしいから、いずれ家に病人でもあるんだろう」
「そいつは気が付かなかった。ちょいと行って訊いて来ようか」
伊三松は飛んで行きましたが、まもなく帰って来て、ガラッ八の鑑定が悉く当ったことを報告しました。通い番頭の久七がこの騒ぎの中へ踏み止まって、お店大事と指図をしていると、女房が急病だから――という使いがあって、ともかく一応見に行ったと言うのです。