Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌

野村 胡堂

Lisez 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 156 866 caractères · 318 écrans

Aozora Bunko

六

つまりは、明日は変わっていく器械的なトリックではなくて、千古不易の心理的本質的なトリックになることが多いからである。

叱られ、罵られ、時には恥ずかしめられながらも捕物小説が、民衆の間に浸透していくのは、この特色のためではあるまいか。捕物小説をチャンバラと解し、時代思想への逆行と考えるのは、捕物小説を読まざるものの誣言である。

六

捕物小説――とあえていわない、私の平次物を、勧善懲悪と褒めてくれる人がある。まことに有難いようではあるが、私には、どうも有難くないのである。勧善懲悪というのは、滝沢馬琴流の小説をいうもので、それは多分に徇法的屈従的であり長いものに捲かれろ主義である。換言すれば『八犬伝』の忠孝仁義主義である。

ところが、わが銭形平次は十中七八までは罪人を許し、あべこべに偽善者を罰したりする。近代法の精神は「行為を罰して動機を罰しない」が、銭形平次はその動機にまで立ち入って、偽善と不義を罰する。こんな勝手な勧善懲悪は無いはずである。ヴィクトル・ユーゴーは、『レ・ミゼラブル』を書いて、法の不備とその酷薄さを非難し、古今の名作を生んだ。私は銭形の平次に投げ銭を飛ばさして、「法の無可有郷」