Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 156 866 caractères · 318 écrans
玉屋金兵衛の調子は、その娘に疑いをかけたくない様子でした。
「とにかく、お店へ行って、皆に引き合せて貰いましょう。その上間取りの具合でも見たら、また何か気が付くかも知れません」
「それじゃ親分、何分よろしく頼みますよ」
少し言い足らぬ顔ですが、さすがに大店の主人らしく、言葉少なに引揚げて行きます。
その後ろ姿を見送って、
「親分、大変なことになったネ」
ガラッ八の八五郎は乗出します。
「何が大変なんだ、――大名高家では、青磁の香炉一つと、人間の命と釣替に考えているようだが、こちとらの眼から見れば、猫の子のお椀と大した違いがあるものか。そんな事で玉屋の主人が首でも縊るような事があっちゃ悪いと思うから乗出す気になったのさ。俺は宝物の詮議など、本来なら真っ平だよ」
「そんな話じゃねえ、親分、大変と言ったのは、あの娘ですよ」
「玉屋のか」
「いえ、玉屋の娘のお幾は世間並の雁首で、なんの変哲もありませんが、その踊友達のお糸というのが大変なんで」
「何が大変なんだ」
「親は本郷一丁目の古道具屋与次郎という、大跛者の愛嬌者だが、娘は本郷一番のきりょうですよ。あんなピカピカするのは、江戸一番と言っても文句を言う奴はありゃしません。