Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(三)酒屋火事
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(三)酒屋火事 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 146 725 caractères · 298 écrans
「曲者はお吉を殺した上、二代目の七兵衛まで殺した。生菓子へ入れた毒は、その辺の藪に沢山あるトリカブトだ。あれは味が解らない上、鴆毒よりも効く」
「誰だい、その曲者は」
兼吉は我慢のならぬ声を出します。
「証拠から先に見せてやろう。先刻の家捜しで、見付かっては大変と思ったのだろう、曲者は、俺が書いた偽寸法で拵えた鍵を自分の身体に持っているはずだ」
「野郎ッ、鍵を捨てたなッ」
八五郎は怒鳴って、猛犬のように誰かへ飛付きました。恐ろしい必死の格闘が、ほんのしばらく続くと見るや、曲者はガラッ八を虫のようにハネ飛ばして、高い塀へ飛付いたのです。
「馬鹿ッ、外には三十人も居る、神妙にせい」
平次が手から投げた銭は、塀の上の曲者の頬を打つと、曲者の身体はそのまま下へ。
不意を喰って、よろめくところへ、塀の外に伏せた人数は、折重なって縛り上げました。
曲者は、下男の釜吉。昔の稲妻組の仲間であった、先々代七兵衛のところへ潜り込んで時節を待つうちに、お吉の父親も七兵衛も死んで、ツイ六千両を一人占めにしようという気になったのでした。
番頭の佐太郎は何にも知らず。お吉は、佐太郎のお人好しに喰い下がって、釜吉と張合って、近江屋の内情を知ろうとしていたのです。