Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(三)酒屋火事

野村 胡堂

Lisez 銭形平次捕物控(三)酒屋火事 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 146 725 caractères · 298 écrans

Aozora Bunko

七

「困ったな、八」

「…………」

これでは、三輪の万七の見込みの方が正しいのかもわかりません。

七

「八、ちょいと来てくれ」

「どこへ行くんだ?」

平次は遅くなるのも関わず、ガラッ八と一緒に優曇法印の堂に向いました。

「ここをもう一度見ておきたいが、――夜は誰も居ないんだね」

向柳原の河岸っぷち、千坪ばかりの空地の中に建った法印堂は、堂守を縛られて、闇の中に不気味な口を開けております。

「あの法印は二三丁先の自分の家へ帰って泊りますよ」

「夜は誰も居ないのか」

「こんな気味の悪いところに誰が居るものですか」

「それで解ってきた。近所で提灯を借りて来てくれ、――番所へ行ってわけを話したら貸してくれるだろう」

平次に指図されるまでもなく、ガラッ八は至極そんな事を心得ておりました。

が、ガラッ八が提灯を借りて来るまで、平次も遊んでいたわけではありません。曇ってはおりますが、ちょうど満月で、窓の戸さえ開けてしまえば、堂の中は薄々見えないことはありません。

「親分」

帰って来た八は御用の提灯をさげております。

「八、ちょうどいい。お前この扉を開けて中へ入ってみてくれ」

平次は堂の正面の閉した扉を指さします。