Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(三)酒屋火事

野村 胡堂

Lisez 銭形平次捕物控(三)酒屋火事 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 146 725 caractères · 298 écrans

Aozora Bunko

七

明日まで窮命させましょう、縄と手拭を――」

平次は正体もない森三をキリキリと縛り上げると、猿轡を噛ませて、物置の中へ放り込みました。

「さア参りましょう」

どこまで落着いているかわかりません。

七

翌る日巳刻少し前、安倍丹之丞は谷中の屋敷に帰りました。

役高を加えて四千五百石というと、小さい大名ほどの暮し、家の子郎党の出迎えの物々しさ、その歓迎の晴れがましさというものはありません。

丹之丞は衣服を改め、旅の埃を払って即刻登城。夕景、上々の首尾で立ち帰りました。

「清左衛門を呼べ、誰か」

「ハッ、御召しでございましたか」

清左衛門は、丹之丞の前に平伏しました。打ち寛いだ丹之丞の前には、久し振りの愛妾お勝が精一杯の粧いを凝らして、旅の疲れ休めの盃をすすめております。

「其方に預けた手文庫はどうした。あの中には、身にも家にも代え難い大事の品がある。持って参れ」

「ハッ、これに持参いたしました」

石田清左衛門は後ろの襖の蔭へ、いつの間に持ち込んだか、梨地高蒔絵に朱の紐を結んだ手文庫を、恭しく捧げて、主人丹之丞の前に据えました。

「清左衛門」

「ハッ」

「封印はどうした」

「切れております」