Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(三)酒屋火事

野村 胡堂

Lisez 銭形平次捕物控(三)酒屋火事 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 146 725 caractères · 298 écrans

Aozora Bunko

と幾度も私に訊いた。「詰将棋の題を考えるようなものさ」といつでも私の答はきまっていた。ある科学者が、同じ問いを私に出したとき、私はこう答えた。「数学の問題を考えるようなものですよ。X=0から逆に考えていくのだ」と。

私の先生は、生前一度もお目に掛かったことのない岡本綺堂先生であったといって宜い。私の「銭形平次捕物控」は、「半七捕物帳」に刺戟されて書いたもので、私は筆が行き詰まると、今でも「半七捕物帳」を出して何処ともなく読んでいる。「半七捕物帳」は探偵小説としては淡いものだが、江戸時代の情緒を描いていったあの背景は素晴らしく、芸術品としても、かなり高いものだと信じている。

岡本綺堂先生の真似はとても出来ないが、私の捕物小説は、その代わりもう少し探偵小説的でありたいと思った。そして同じく探偵的な捕物小説を書くなら、少しでもモラルの高いものでありたいとも念願した。私の銭形平次は平気で犯人を逃がしたが、その代わり旧式の義理人情――低俗な偽善的なものを憎み続けた。

探偵小説は一度読むと捨てられるものが多い。本格物ほど詭計や推理に重点を置いて、人間味の温かさを忘れるからだ。