Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(三)酒屋火事
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(三)酒屋火事 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 146 725 caractères · 298 écrans
仏様みてえな倅を縛って行きやがって、どの顔下げて来やがったんだい。――そんなに火焙りにしたきゃ、三村屋の親爺を縛って行きやがれ。借金で首が廻らねえはずだ。自分の家へ火でも付けなきゃ、盆までには首を縊る野郎じゃねえか」
寄り付けそうもない勢いですが、平次もこんなのを扱う術は心得たものでした。
「親方。――俺を知ってるだろうね――こんな事を言っちゃ悪いかも知れねえが、仲吉はこの平次が縛ったんじゃねえ。仲吉を火焙りにしてよきゃ、俺がわざわざここへ来るものか」
「何だと?」
市五郎は少しばかり鋭鋒を納めて、茶碗酒の手を休めました。
「俺は仲吉兄哥を助けに来たんだ。――あんな気っぷの良い男が、人の家へ火なんか付けるものか。――それに、お町とは良い仲だったてえじゃないか」
これは平次の作です。
「何を? お町の阿魔とは敵同士だ。下らねえ真似をしやがると、俺が承知しねえ」
「親方、若い者には若い者の考えがあるよ。そんな野暮は言わねえものさ。ところで、仲吉は三の日と八の日には、日が暮れてから出掛けるようだか、ありゃ何のためだい」
三の日と八の日――それは三軒の酒屋へ火を放けた日――とは市五郎も気がつきません。