Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(九)不死の霊薬
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(九)不死の霊薬 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 144 106 caractères · 292 écrans
利助の言うことは、本人を前にしては、少し立ち入りすぎますが、しかし五十男の一刻で、思い込むと加減も遠慮もなかったのでしょう。
「兄哥、そんな事なら、頼むも頼まれるもありゃアしない。どうせ碌な事は出来ないが、今日からでも、俺の家へ来て、仕事を手伝って貰おうじゃないか。兄哥も知っている八五郎は、柄にもなく身体を痛めて、二た月越し田舎へ行っているし、神田の家には、遠慮するような者は一人もいねえ」
「それは有難い、早速言葉に甘えるようだが、荷物を纏めて今晩にもやるから、何とか好い塩梅に引廻してやってくれ。何事も修業中だ、打っても叩いても文句は言わせないから、みっちり仕込んでくれ」
利助は言うだけ言うと、すっかり安心したものか、寝返りを打って、軽く目をつぶりました。
「それじゃ兄哥、大事にするがいいよ、俺は帰るから」
「済まなかったね、銭形の、碌な茶も出さない、――お品は一体何をしてるんだろう」
平次は妙にそぐわない心持で外へ出ました。利助の疑念には、相当に根強いところがあるのも気になりますが、それより、秘蔵弟子ともいっていい徳三郎を、自分に託する利助の心持が、どうしても解らなかったのです。