Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(九)不死の霊薬
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(九)不死の霊薬 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 144 106 caractères · 292 écrans
九
「七人の花嫁を出して貰おうか」
九
平次の手はサッと延びて、お鶴の左の手首をピタリと掴みます。
「何をするんだえ、いやらしい、巫山戯たことをすると、岡っ引だって勘弁しないよ」
と言うのを引寄せて、グイと掴んだ女の腕をしごくと、二の腕に赤々と朱彫の折鶴。
「丹頂のお鶴、御用だッ」
「何をッ」
どこから取出したか、お鶴の手には、キラリと匕首、平次の首にサッと来るのを、叩き落して膝の下へ。
「お前が怪しいことは、早くから気が付いたが、証拠がなくて踏込まずにいたんだ。花嫁が七人も続けざまに消えてなくなるのに、それを手掛けた髪結を疑わずにいるほどの平次と思うか」
言う内にも、懐から蛇のように引出した捕縄、見る見るお鶴の身体は高手小手に縛り上げられてしまいました。
「何をするんだ、私は女髪結のお鶴、下町でも知らない者はない。何を証拠に、銭形とも言われる者が縄を打つんだ」
畳を舐めさせられた額の赤痣は火のごとく燃えて、醜女の怨みの眼は、毒蛇のようにキラキラと光ります。
「黙れッ、あの壁を見ろ、ところどころに爪で引っ掻いた蛇の目の印があるだろう、あれはお静に言い付けた合図の栞、俺の名前から思い付いた銭形だ。