Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(九)不死の霊薬
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(九)不死の霊薬 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 144 106 caractères · 292 écrans
「お葬いは?」
「今日の未刻(二時)ということになっておりますが」
「医者には診せなかったんだね」
「ヘエ――、医者の入ったことのない家でございます」
七平は淋しく笑いました。爪に火を灯すような、江戸第一番の吝ん坊の鳴子屋は、いかにもそれくらいのことがありそうです。死骸は寺で引受けさえすれば、そのまま葬られた時代は、これでも通らないことはなかったのでした。
「八、今何刻だろう?」
「午刻半(一時)でしょうね」
八五郎は天文を案ずる恰好で答えます。
「大急ぎで中橋の鳴子屋へ行ってくれ。気の毒だが検屍が済まないうちは、葬いを出さしちゃならねえ」
「心得た」
八五郎のガラッ八は、弾み切って飛んで行きました。その後ろ姿を見送って、
「鳴子屋の家の中のことを、一と通り聞かしてくれ」
平次は七平に訊ねます。
「主人のお釜さんは四十三で、旦那が五年前に亡くなりましたが、お店を切り廻して、身上は太るばかりでございました。支配人の用助さんは私より三つ年上の五十四で、養子の金三郎さんは二十五、ゆくゆくは主人の姪のお紋さんと嫁合せることになっておりますが――」
「外には」
「小僧が二人、下女が一人、これはお早といって、房州者でございます」