Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(九)不死の霊薬
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(九)不死の霊薬 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 144 106 caractères · 292 écrans
あの印があるところにお静が居るに相違ない――サア言え、七人の花嫁をどこに隠した」
「知らない知らない、たって探したかったら、裏は神田川だ、水の底でも覗いてみるがいい」
不貞腐れたお鶴、歯を食い縛って、平次の顔を憎々しく見上げます。
「七人の命には替えられない、言わなきゃア、平次の宗旨にはないことだが、お前の身体を五分試しだ。これでもか」
平次もさすがに一生懸命です、額にふり注ぐ冷汗を片手なぐりに拭き上げると、女の手から打落した匕首を取って、その白々とした喉へピタリと当てました。
「冷たくて、とんだいい心持だよ、さア一と思いに突いておくれ、――お前に殺されれば本望だ。何を隠そう、私は長い間、お前に岡惚れしていたんだよ」
それは恐らく本音でしょう。平次を斜め下から見上げる悪女の眼には、不思議な情火が、メラメラと燃えさかるのです。
「えッ、しぶとい女だ、言えッ、七人の花嫁をどこへやった」
思わずゾッとしながらも、平次は匕首の背を返して、女の頬を叩きます。
「駄目だよ、そんな事を言っているうちに、七匹の雌は一と纏めにして江戸から送り出す手筈が出来ているんだ。わたしは処刑になるだろうが、その代り私の首が梟される頃は、お静を始め七人の花嫁は、島原か長崎へ叩き売られているよ」