Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(九)不死の霊薬

野村 胡堂

Lisez 銭形平次捕物控(九)不死の霊薬 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 144 106 caractères · 292 écrans

Aozora Bunko

役目柄、こんな事が世間に知れてはまずいが、何とかなるものなら、一と骨折ってはくれまいか」

と言うと、

「よく判りました、奥様。何の、たかが虚仮脅かしの化物ごっこぐらい、口幅ったいことを申すようで恐れ入りますが、この利助の黒い眼で睨めば、一と縮みでございましょう」

利助は大呑込みで、少し光沢のよくなった中額をツルリと撫で上げます。銭形の平次と同じように、笹野新三郎には恩顧を受けている御用聞ですが、近頃は若い平次の評判が馬鹿に良いので、少しはムシャクシャしているところへ、お国がこんな相談を持ちかけたので、渡りに船の心持で乗り出してしまったのでした。

「これはやはり、内に手引するものがありましょう。外からだけでは、そんな器用なカラクリは出来るものじゃございません。ただ今お屋敷に居る人別を片っ端からおっしゃって下さいまし」

「主人と私と坊やの外には、身内の者というと、主人の遠縁で、お吉さんというのが居るよ。年は私と同じ二十六で、そりゃア美しい人だが、お前は逢ったことがなかったかねエ」

「いえ、存じております。元なんでも旦那様のところへお嫁にいらっしゃるようなお話のあったのが、御両親がお亡くなりになって、そのまま縁談は流れ、それっきりお宅の掛人になった方でございましょう」