Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(九)不死の霊薬

野村 胡堂

Lisez 銭形平次捕物控(九)不死の霊薬 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 144 106 caractères · 292 écrans

Aozora Bunko

娘のお礼は手を取って引上げぬばかりに世話を焼いてくれます。浅草の三小町といわれた娘、武家出の上品さと、下町育ちの意気を塩梅し、何かこう、滴るような魅力の持主でした。

「いやもう、埒もない無駄話でのう」

蔵人は調子に乗って、とんでもない打明け話をしたのを、今ではもう、すっかり後悔している様子です。

「それから、つい今しがた、使いの者がお手紙を持って参りました」

「何? 手紙? 珍しいことがあるものだな、しかも夜分に――」

そう言いながら受取ったのは、二つに折った封じ文が一通、指先でむしるのももどかしく、中からキリキリと巻いた手紙を出して、達者な眼でサッと読み下した藤枝蔵人は、

「…………」

サッと顔色を変えました。

「父上様、何か御心配なことでも――」

「いや、何でもない、――が、大変な間違いだ。私はちょっとそこまで行って来なきゃなるまい」

蔵人はそう言いながら、今の手紙をお礼の眼から隠して自分の袖に押し込み、両刀を手挟んでもう一度、春の闇の中へ出ようとするのです。

「父上様、明日になさいませ、もう亥刻(十時)になります」

「いや、大事な事だ、行かないわけには参るまい。