Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(二)八人芸の女

野村 胡堂

Lisez 銭形平次捕物控(二)八人芸の女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 144 562 caractères · 291 écrans

Aozora Bunko

こいつは鍬で掘出すより外に手の付けようがねえ」

ガラッ八は裏へ廻って物置から鍬を持出すと、沓脱の石を退けて、柔かい土を掘りにかかりました。

「匕首を土の中に打ち込んだ石を、沓脱の傍へ放って行くなんか、あんまり良い智恵じゃないよ――ここ掘れワンワンをしているようなものさ」

平次は事もなげですが、三輪の万七は半日探してこれが見つからなかったのです。

「もっとも、沓脱の下から刃物が出たんだから、下手人は犬でない事も確かさ」

万七はそう言いながら、主人の幸七の縮み上がった顔を見やります。

ガラッ八が掘り出した刃物は、夜店物の匕首で、その頃はどこにでも一本や二本は転がっていそうな品。血と泥とに塗れている外には、何の変哲もありません。

ちょうどその時、

「とんだことでございます。――御新造様がお気の毒なことで――何か御用があったら、おっしゃって下さい。役には立ちませんが――」

お勝手口へ顔を出したのは、二十七八のちょっとした男。幸七の萎れた姿へ声を掛けます。

「重吉さんか、――わざわざ有難う、親方へ宜しく言って下さい」

幸七は最初の見舞客へ、嬉しそうに答えました。

「あれは?」