Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(二)八人芸の女
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(二)八人芸の女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 144 562 caractères · 291 écrans
三
「何奴がこんな虐たらしい事をしあがったんだ」
祭の人数は、止めても、止めても、潮のように崖の上へ殺到して平次もガラッ八も手の付けようがありません。
三
間もなく、お春を誘い出して、聖堂裏の木立の中へ入った相手がわかりました。町内の酒屋の倅で、長吉という好い男。
「長吉、手前だろう、お春坊を殺めたのは。お慈悲を願ってやるから、お役人が見える前に、みんな申上げてしまいな」
平次は、これも祭の扮装のままの長吉を、明神下の自身番に引入れると、暑いにも構わず、表の油障子を締めさして、こう当ってみました。物柔かいうちにも、退引させぬ手厳しさがあります。
「親分、御冗談でしょう。私は、親の許した仲で、この秋はお春と祝言することになっているんですぜ、殺すわけなんかありゃしません。どうか下手人を捜し出して、敵を討ってやって下さい」
少し気は弱そうですか、一生懸命なことは確かで、おろおろしながらも、自分の危ない地位より、お春の敵を討ちたさに顫えているようです。
「それじゃ、何だってお春を木立の中なんかへ誘い出したんだ」
「祝言前の若い者ですもの、折さえありゃ二人っきりで居たいのは無理もないでしょう。