Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(二)八人芸の女

野村 胡堂

Lisez 銭形平次捕物控(二)八人芸の女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 144 562 caractères · 291 écrans

Aozora Bunko

六

「とにかく、この手拭は私が預かっておくよ。いいかえ、お勢さん」

「え」

恐怖と疑惑に打ちひしがれたお勢は、美しい顔を硬張らせてこう言うより外にはなかったのです。

「親分、もう手拭調べはようがすかい」

しばらくたってガラッ八は、化石したような、恐ろしい沈黙の中から声をかけました。

「いや、まだ三四人残ってるよ」

そう言うと平次は、お勢から借りた手拭を畳んで懐に仕舞い込んだまま、大急ぎで片付けます。一番の最後は、道化者の市五郎、それで何もかも済んでしまいました。

六

「辰蔵、これはお前が書いた字に違いあるまいな」

と平次。一同を帰した後、辰蔵を呼止めて、お勢の手拭を見せてやりました。

「違いますよ、親分、あっしの字は、もう少し拙いし、こんなに上の方じゃなかったはずですよ」

「確かにそうか」

「ヘエ

「お前、お勢を庇っちゃいけないよ」

平次は妙なところから、チラリと捜りを入れます。

「とんでもない、親分、あの娘に怨みこそあれ、庇ってやる義理なんかあるもんですかい」

「怨みと言うと何の怨みだ」

辰蔵は語るに落ちた形で、眼を白黒させます。

「極りは悪いが、言ってしまいましょう、実は――あの娘へちょいちょい当ってみたんですが、容貌自慢でツンツンしやがって、こちとらへは鼻汁も引っかけませんよ」