Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(二)八人芸の女
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(二)八人芸の女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 144 562 caractères · 291 écrans
二
「なるほどそれが、聞かざるか。三猿揃って庚申横町は洒落たものだな。誰がそんな名を付けたんだ」
「あっしじゃありません」
「当り前だ、そんな洒落た智恵がありゃ、世間様が岡っ引なんかにしておくものか」
「まるで叱られているようだ、――ところで親分、一軒一軒叩き起してみましょうか」
ガラッ八はそう言いながら、一番手近にある、按摩の竹の市の表戸を叩きました。が、もうかれこれ丑刻(二時)、容易のことでは起きそうもありません。
二
一年ほど前から、風のごとく去来する怪盗が、江戸中の岡っ引を手古摺らせておりました。狙うのは大抵非道と名を取った金持か、評判のよくない武家屋敷ばかり、盗るものは必ず現金と決っておりますが、不思議なことに、一夜のうちに、二里も三里も離れた、山の手と下町を荒したり、偶々人に追われても、疾風のごとく逃げ去って、塵ほどの手掛りも残さなかったのです。
千里往って千里還る――という意味で、あれは「虎」だ、「千里の虎」だと言うようになりました。
闇の中でも物を見るらしいのと、非常な体力を持っているのと、貧乏人を困らせないのとで、いつの間にやら「千里の虎」