Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(二)八人芸の女
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(二)八人芸の女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 144 562 caractères · 291 écrans
八
ます。
「神妙にしろ」
折重なってガラッ八、力ずくとなるとお喜多は手も足も出ません。蛇のような捕縄がキリキリと女の華奢な身体を巻いて行くのでした。
八
「親分、面目次第もありません」
「何だ、ひどく萎気ているじゃないか。力松が下手人と決ったとでも言うのかえ」
平次は何の蟠りもなくガラッ八を迎えました。お喜多を縛った翌る日の朝のことです。
「下手人はどう考えてもお喜多の外にはねえと思い込んで縛って来ましたが、どうも変なんで――」
「何が変だえ」
「あれほど証拠が揃っているのに、肝心のお喜多はサメザメと泣くばかりでどうしても口を割らねえ。笹野の旦那も、力松の縄を解いてしまったものの、これじゃどうすることも出来ません」
「フム、俺もお喜多が下手人ではあるまいと思うよ」
「あっしも段々お喜多が下手人でないような気がするんで」
ガラッ八は鬢の後ろを掻きながら、臆病らしく平次を見上げました。
「お喜多を縛る時は、大した意気込みだったじゃないか。もっとも風呂敷包に躓かなかったら、手前の手におえる女じゃなかったが――」
「あッ、あれを見ていなすったのかい、親分」
「そうだよ。あんな結構な立ち廻りは、木戸を払っても滅多に見られるもんじゃねえ」