Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(二)八人芸の女
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(二)八人芸の女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 144 562 caractères · 291 écrans
平次は妙に突っ込んで行きます。
「親分、娘はあの通り嬰児だ、――そんな事を訊くのは殺生過ぎはしませんかえ」
たまり兼ねて勝造が口を出しました。地味で柔和で、父親の勝造には似たところもないようなお勇は、全く平次の問の対象には痛々しいほどだったのです。
雇人を一と通り調べて、暗くなってから平次は引揚げました。
「親分、どうしてあのお粂を挙げなかったんで――」
ガラッ八は、人影の無いところへ行くと、たまり兼ねた疑いを投げ出しました。
「主人が人に殺されたという証拠は一つも無いよ。――それに、あの二三十貫目もある箱を手摺の上へ載っけるのは、女の腕で出来ることじゃねえ」
「菊之助と二人がかりなら?」
「それも考えたが、――仕掛の麻縄を、格子に引っ掛けたままにしておいたのは可怪しい、お粂が下手人なら、人の駆けて来る前に、格子から引いた麻縄の始末ぐらいは出来たはずだ」
「なるほどね。すると、下手人は?」
「番頭が一番怪しいと思ったが、俺のところへ使いを出したのが、番頭でなくて、勝造だと聞いて気が変った」
「ヘエ――」
「今のところ一番怪しいのは、主人総七が死ねば、自由に宝の瓶を捜せる菊之助か、――それとも、越前屋の跡取りになるお勇かな。